コンピュータのしくみ I「論理回路とシークエンス回路」シリーズ 第3章 基本論理回路
発行者による作品情報
近年,ラジオ,テレビ,ビデオ,携帯電話などに代表される家電製品の中核がLSI化され,その内部はほとんどわからなくなってしまった。かつては,ラジオ少年,無線マニアと呼ばれる若者がいたが,現在では彼等も製品を買ってきて使うだけで,中味は知らないようになってしまった。いわゆるブラックボックス化であるが,はたしてそれでよいのであろうか。科学は,未だ人類が知らないことを,より知っていこうという努力の結果,発展してきた。家電製品などは,自然物ではなく人工物であり,理解はもっと容易である。それすら,理解を放棄してしまうのでは,将来の科学技術の発展はとても覚つかない。
幸いにしてコンピュータは驚くほど簡単な原理で作られている。そのほぼ全容を理解することは,他の機器に比べると極めて容易である。せめて,コンピュータのしくみと動作原理ぐらいは理解して欲しいというのが,本書の目的である。
初めての人にはやや難しいかも知れない。逆に,その気になればコンピュータを設計できるほどのレベルまで記載したつもりである。初めての人は,そのつもりで,本書のすべてを理解できないからとがっかりしないで,まず概要をつかむようにして欲しい。そして,将来,より興味が沸いてきたら,再び本書に立ち返られることを期待する。
カスタマーレビュー
“(3)AND回路とOR回路” p-MOSの説明
コンピュータのしくみを勉強中です。
岡部先生のわかりやすい講義が学べます(^^)
p-MOS FETの説明であれ?と少々混乱しました。
第3章
“p-MOSは,入力電圧が下がるとスイッチが切れます。”
とありましたが、後半の(6)まとめでは、
″n-MOSは入力電圧が上がるとオンになります。また,上はいつでもp-MOS,つまり丸のついたMOS FETしか使いません。丸のついたFETは入力が下がるとオン,入力が上がるとオフになります。″
と真逆の説明になっています。
正しくは
“p-MOSは,入力電圧が下がるとスイッチがオンになる”
と思われます。